東京・渋谷の東急百貨店本店が31日、閉店した。東急グループによる再開発の一環で、店舗は解体される。開業から55年。渋谷のシンボル的な存在だった店の最後の1日を追った。(丹治翔)
午前10時 開店30分前にはすでに30人以上が並び、その後も列が伸びた。行列の先頭にいたのは東京都渋谷区に住む自営業の男性(65)。「家から近くて一番多く使った場所なので、朝から来ようと思っていた」。開店1時間前の午前9時半から並んだ。週に一度は訪れ、地下の食料品売り場で買い物をすることが多かったという。「落ち着いた雰囲気が好きだった。店内をぐるっと回って、最後の本店を楽しみたい」
大切な人を失うよう
午前10時半 店の外では本店を撮影する人の姿も。スマートフォンを向けていた会社役員男性(63)は、職場が本店から300メートルの場所にある。「レストラン街や書店には本当によく通った」。本店は当たり前のようにある存在だったが、スマホで写真を撮るうちに寂しさがこみ上げてきたという。「普段は気づかなかったけど、閉店になって、大切な人を失うような気持ちです」
午後0時半 買い物を終えた…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル